【かごしま茶】鹿児島県茶商業協同組合

浜田茶業の会長は、元々は農協の営農指導員をやっておられた。戦時中、農民農場と言う軍隊訓練を受けたがそのまま終戦。戦後お茶の試験場へ入った。夜間学校に通ったりなど苦労した甲斐あって念願の営農指導員になることができた。以来20年間農家を指導してまわった。昭和30年代、紅茶からの緑茶転換という苦難も経験している。 昭和45年、あるきっかけで農協を退職、独立した。不安もあったが会長が持ち込む茶は静岡でよく売れた。県内産の、良いお茶だけを売った。静岡では当時鹿児島茶の評判はそれほど高くなかったが、「浜田の持ってくる鹿児島茶は結構いいじゃないか」と話題になった。仲買い商としてスタートし、小売りや卸にも進出した。 現在は代替わりし、会長になったが経営の姿勢は変わらない。お茶は摘んだ時期で価格が決まる。1番茶と2番茶は素人目には区別がつかないものだ。しかし、だからと言って茶葉をごまかすようなことは絶対にやらない。誠実に馬鹿を見てでも正直者の商売をやるのが浜田流だ。 会長はベトナムと韓国にも農業指導へ出掛けた。「ゼロから今までお茶で生きてこられてうれしい」と会長は語る。「県外のお茶業界の方々と仲良くなれることが楽しい」とは現社長の言葉だ。「品質を落とさないこと」がお店存続のポイント。浜田茶業の精進はまだまだ続く。